6238 フリュー まとめ

総集編として目標株価や今後の展望について
長くなりますが、最後までお読み頂けると嬉しいです
 
まず2017~予想2021年年度の業績を載せます。
左から売上高 営業利益 経常利益 税引後純利益 EPSです
横ばいだなって印象だと思います       

 
続いてセグメントごと業績推移です。

ざっくりとした印象としては2017~2018年まではゲーム事業の赤字がキツイけど2019年に大幅改善している
2019年ではキャラクター事業の利益が悪化しゲーム事業の赤字も続いているが過去最高純利益を達成してる
2020年では下期のキャラクター事業の伸び率が高いな、ただプリントシール事業が大幅赤字となり利益を圧迫している
2021年1Qはプリントシール事業が継続して赤字だが、キャラクター事業が大幅利益でゲーム事業も黒字化してる
 
分解するとセグメントごとの利益変動が激しい印象を受けた
しかし、2020年プリントシール事業はコロナの影響を受けただけで今後改善するだろう
キャラクター事業も伸びゲーム事業も黒字デフォルトとなれば、業績もかなり良くなるのでは?
 
続いてセグメントごとの見解を書きます
 
 
 
プリントシール事業
元々はオムロン株式会社の1部門であったプリントシール事業がオムロン業績悪化に伴い撤退しようと考え、潰す役割として現社長が配属されたが、目を輝かせながら働く社員を目の当たりにし自身も夢中になり、ミイラ取りがミイラになったという面白いエピソードがある
その後、オムロンより独立してもいいと言われ、MBOを実施し今のフリューとなった
俗称「プリクラ」を事業展開しており、シェア率は95%とほぼ独占である
 

斜陽産業だから独占では?と思う方もいるだろうが実態は違う
数年前まではメイクソフトという競合会社があったが自己破産申請し廃業となりフリューが独占となった
利用者が減ったというよりマーケティングが上手くいかなかった印象
メイクソフトはモデルにローラやゆうこすなど大人可愛い人を採用していたが、プリクラの利用者は10代〜20代前半
対するフリューは10代後半〜20代前半のモデルを採用しておりニーズを掴んでいた
利用者は「別人になってもいいから盛れて可愛い自分を写したい」という欲求がある
メイクソフトは個人の素を生かしナチュラルな機体が多かったのに対し、フリューは加工技術に特化しいかに可愛いく写せるかに拘ったためフリューが選ばれる事が多かった
フリューも当初はメイクソフト寄りだったがイマイチ反応がよくない、そこで女子高生を会社に招きヒアリングを行った結果、写真のようなプリクラには関心がない事がわかった
顧客目線が何より大事だと気づいたフリューは、現在も毎週(リモートも多いが)流行や関心について女子高生とヒアリングを行っている
後に説明するサブスクモデルはどちらも採用しており、フリューが選ばれる事が多く一度選ばれるとフリューで撮る以外の選択はなくなる
フリューの徹底した顧客目線のマーケティングが評価され残存者利益を享受しているだけであり、決して斜陽産業になったわけではない
しかし、少子高齢化は避けられないため大幅な顧客増加は見込めないであろう
 

プレイ回数でも証明している、2019~2020年度では利用者は減少ではなく増加している ※2021年度はコロナ影響によるモール休業などにより大幅減
調べる前まではスマホカメラの高画質や加工アプリの進化により淘汰されている予想だったが競合ではなかった模様
利用者としてはプリクラと加工アプリは全く別物だそう
企業努力も怠っておらず、シェアトップに甘んずることなく毎年数億円の研究開発費を投入しているのも好印象
 
 
収益モデルは売切り方式・レンタル方式・直営店売上である
 
直営店はフリューが運営している店舗である
 
売切り方式はシール機を販売し機械代とシール代を頂くモデル
 
レンタル方式は筐体をレンタルしプレイ代金を販売先とレベニューシェアしている(筐体代はBSのリース資産に計上)
 
シール代が粗利率が最も高くフリューとしては売切り方式が良いが、筐体購入予算がない販売先にはレンタル方式を提供(筐体費2,400,000円)
集客力のある販売先だと売切り方式が利益が多く得られwinwinの関係となる
筐体にはシリーズがあり既存筐体を保有している販売先はアップデートする費用が必要(198,000円)
レンタル方式だとリースのためフリュー側が負担
要約すると、レベニューシェア提供場所は資金力が乏しく売上も上がらないためプレイ代金を稼げておらず利益率が低い
直営店は利益率が良い
 
業績推移を纏めました ※AMはアミューズメント施設 単位 金額:百万 回数:万

2019年度はプレイ回数も増えたが直営店比率が上がったことによる利益率増加が見受けられる
レベニュー比率増加を直営店でカバーしているイメージ?直営店も着々と増加
プレイ回数と売上高は概ね相関しておりモデルによって利益率が変化するイメージ
2021年度は販売先の収益悪化によるレンタル方式増加とプレイ回数激減のダブルパンチ
2022年度は個人的予想
主にイオンモールなどの大型商業施設の売上に左右される
緊急事態宣言によるイオンモール休業実績
2020年4/17~5/13まで147店舗休業
2021年4/25~5/11まで28店舗休業
2021年8/20~9/12までの緊急事態宣言では休業なし
2022年度総プレイ回数3860万回は会社開示予想 1Q955万回 順調に見えるためそのまま参照
利益は予想プレイ回数が2020年度と2021年度間の中央値で算出 1333÷-513=410
1Qでは-211だったため+する 410+211=621
残りQごとに200の利益は現実的だと思うが、緊急事態宣言やレンタル方式増加を加味し2Qは利益0予想
ワクチン接種も進んでいるため下期の人の流れは活発化しイベント増加による利用回数増加は見込めると判断し1Qごとに300
-211+0+300+300=389
不透明だが4憶の利益は見込めると判断
 
 
 
 
 
 
 
コンテンツ事業
主な収益源はサブスクモデルのストック収益「ピクトリンク」である
プリクラを撮影後、通常は1枚しかスマホに転送できないが会員になるとすべて転送できる
プレミアム会員だと落書きなしの画像転送も可能となる
プレミアムに移行するには特典が弱い印象
 
スタンダード 300円
プレミアム     500円
 
プレミアム会員へのアップセルを促しているが、成果には結びついていない

ただ既存会員は安定しており、且つ利益率40%と高いストック収益は魅力的

2019年度年間会員 1962 利益3914百万
2020年度年間会員 1815 利益3608百万
会員下落率7.5% 利益7.9%下落
今回会社予想会員数 1740
保守的にみて今期会員が前期5%減で1724 利益5%減
3608×90%=3427
少なくみても利益34憶はある想定
 
実績を見ると36~40憶ほどの利益が毎年あり時価総額400憶前後でこの利益はデカいよなぁ....
 
 
キャラクター事業
アミューズメント施設向けクレーンゲームグッズ
高価格フィギュア
みんなのくじなどを展開
 
 
クレーンゲームは多数企業がオンライン型を取り入れており今後も市場は拡大余地あり
日本クレームゲーム市場推移
2017~2019年のCAGRは12.4%
2020年以降のデータはないがオンライン型もあり3000憶円規模には成長していると予想

フリュー景品のCAGRは17.4%と市場環境より高い水準と見受けられるが、中国を筆頭とする海外向けが好調であるゆえに比較してもあまり参考にはならない
中国が好調な理由としてはアニメ人気によるものが大きい。
日本アニメ協会によるとアニメの海外取引は年々増加している。
 

景品・高単価フィギュア製造は中国にてファブレス
完成後委託先への立会い審査、初回判定実施を行い日本国内で検針し品質管理を徹底している
中国は豊富な資金力を生かしノウハウも習得、高いクオリティを維持している

 
フリューECサイト「F:NEX」では主に数万円するフィギュアを販売しているが好評
SNSでも評判がよく競合他社と比べても評価が高い
完全受注型による購買意欲促進も大きい 在庫抱えない+受注後のキャンセル不可は大きい
 
 
 
日本では風営法によりクレーン景品は800円以下と定められているが、中国向けは販売単価1000~2000円と高単価販売なので利益率が上昇している

調べた結果、成長性は衰えることなく継続しそう
今期1Qではどの分野でも前期2倍と凄まじい成長率
前期1Qはコロナの影響が大きいのと、冒頭のQごとのセグメント推移を見ると下期より急成長しているため
残りQでも2倍成長は厳しい印象
キャラクター事業に季節はなく単純計算で、1Q3574×4=売上142憶 利益率20%とすると 利益28憶 成長率約170%
クレーンゲームの成長とフィギュアの人気はまだ衰えておらず現実的な数値だと思えるが、保守的にみて2021年成長率130%との間150%成長と仮定
 
2022予想
8332×130%=124憶 利益25憶 
 

 
 
 
 
 
 
ゲーム事業
家庭用ゲームソフトの販売
ゲームアプリ
アニメの3部門がある
 

 
赤字続きのゲーム事業が今期1Qでは前期5.6倍の大幅黒字となった
主な要因としてはアニメ「ゆるキャン△」というキャンプアニメによるもの
大手サブスク配信サービスの評価を見るとかなりの高評価が見受けられた

 
人気シリーズであり、空前のキャンプブームも相まって更に人気が高まっている
2021年発売DVDの売れ行き好調とグッズ販売も好調との事
グッズはキャラクター事業に反映される認識であったがゲーム事業に計上されるとの事
フリューの技術を生かしクオリティの高い製品を多く排出している
ゲームやアニメは競合も多数存在し流行り廃りが激しい
普段ゲーセク等は全く触らないため、恥ずかしながら業績予想を論理的に組み立てる知識と力がなく
雑ですが1Qで1憶黒字がありまだまだ好調との事なので、2~4Q合計で赤字はないだろうと判断し予想利益1憶とします。
 
 
予想株価
予想利益を算出します。
 

 
セグメント利益比率4年平均は67.5%
 
セグメント利益予想 単位:百万
プリントシール事業 400
コンテンツ事業  3600
フィギュア事業  2500
ゲーム事業       100
      計 6600×67.5%=4455
 
業績推移を再確認します。

 

今期は合弁会社設立費用も計上されるが説明資料にもある通り、毎年上限としている5憶に変更はないとの事なので特別計上はない
 
営業利益と経常利益は同水準なのでスライド、税率32%で算出すると
 
営業利益
経常利益
税引き後
EPS
4455
4455
3029
107
過去のPER推移を見ると18~20数倍を推移している
予想利益は保守的なため-幅より+幅のほうが高い予想

2021/8/27 株価1614
 
会社側も保守的予想としてる。自身も保守的予想
個人予想としては今期よりも来期業績の方が良い見立てをしている
成長性もあり、目標株価は2000と設定しています
フリューは全セグメントの月次を開示しているので月次を参考しながら柔軟に判断を切り替えていきたいと考えています
 
 
まとめ
今回は数字の根拠を立てるときの情報収集・集計・目標株価設定の思考と背景などを書いてみました。
調査・集計したことを全て書いたわけではないですが、要点はまとめられたと思います。
ファンダで投資している方々には、当たり前に調べている事ばかりでまだまだ深堀り足りんくない?
と思う方もいるでしょうが、温かい目で見て頂ければ嬉しいです
 
最後まで読んで頂きありがとうございました